リンパ腫について

こんにちは、獣医師の上野です🍵

前回はリンパについてお話させていただきました。今回はリンパ腫についてお話します💬

リンパ腫は悪性腫瘍、いわゆる「がん」です☠️

がんとは、細胞の遺伝子が損傷し、細胞の増殖が制御不能になってしまう病気のことで、

癌細胞は正常な機能を持たないまま増殖していきます⬆️

リンパ腫とは正常な機能を持たないリンパ球が異常に増殖してしまう癌のことを言うのです😥

リンパ腫はリンパ球が産生される部位ならばどこでも発生する可能性があります👀

リンパ球はリンパ管、リンパ節、血管を通り全身に巡っていますので、リンパ腫になってしまうと癌化したリンパ球が全身に巡ることになりますので、非常に転移しやすいです⚠️

特にリンパ節、胃腸、脾臓、肝臓、腎臓といったリンパや血流が豊富な臓器は好発します😵

発生源になりやすい部位は動物種により異なります

犬では多中心型(体の表面にあり、触診で触れるリンパ節が腫れるタイプ)が一番多く、猫では消化器型(胃腸にできるタイプ)が一番多いです🐕🐈

さらに、猫ではリンパ腫を発症してしまうリスクの増加因子に猫白血病ウイルスの感染が大きく関わり、通常では犬も猫もリンパ腫はおおよそ中年齢~高年齢での発生が多いのですが、猫白血病ウイルスに感染している場合には若齢での発生のリスクの増加にもつながるので、見落としてはいけない項目の一つです。

また、症状は発生する部位により様々違っていきます☔️

『胸腺型や前縦隔洞型』の様な胸の中で発生するものは、呼吸が早くなったりチアノーゼが出たり、胸水が貯まるなどの症状が多くなります。

『消化器型』は嘔吐や下痢などの消化器症状が長く続くことが特徴の1つです👁‍🗨

『多中心型』は1箇所以上のリンパ節で発生するもので、元気がない、食欲がない、痩せてきたなどの漠然とした一般状態の悪化が多く、特徴的な症状がないこともあります。ただし、体表リンパ節(体の表面にあり、触診で触れるリンパ節)が腫れることが多いので、日頃のスキンシップで発見される事が多い印象です✋

では、どのように診断をしていくのか、それは癌化したリンパ球を発見する事です👓

1、リンパ腫になっているであろう部位から細胞を採取する事で診断していきます🏥

2、部位の特定には画像検査が非常に有用ですので、レントゲン検査や超音波検査、CT検査にて部位を特定します📷

3、部位を特定したら採取です⚾️直接針を刺して採取する方法や腫瘍を丸ごと切除して治療と採取を平行して行う方法、消化器(胃腸)であれば内視鏡で採取する方法、など様々です✂︎

4、採取した細胞や組織は病理検査に出し、どういった腫瘍なのか、どのくらいの悪性度なのか、どういった薬が効きそうなのかを調べ、それにそった最適な治療を選んでいきます☝️

と、所々省略しながらお話させていただきました。

次回は治療に関してお話させていただきたいと思います。

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。