消化器内科の診察をする上で、日常的に行う検査のご紹介になります。
消化器内科は、肝臓疾患、膵臓疾患などをはじめ多種多様な疾患がありますが、
今日は胃腸疾患の超音波検査所見をご説明いたします。
1、感染性胃腸炎(ウイルス、細菌、真菌、寄生虫)
2、急性胃腸炎(冷え、暑さなどの寒暖差、急な食事変更)
3、アレルギー性胃腸炎(たべものアレルギー)
4、慢性胃腸炎(食事反応性、抗菌薬反応性、炎症性腸疾患)
5、腫瘍(ポリープ、リンパ腫、腸腺癌)
1、感染性胃腸炎(ウイルス)

リンパ節の軽度腫大が特徴です。胃腸は動きが悪く、ガス貯留が多いのも特徴になります。
2、急性胃腸炎(冷え、暑さなどの寒暖差による体調不良)



腸の波状陰影や不明瞭陰影が特徴です。胃の中の食べ物が停滞していることが多いです。
3、アレルギー性胃腸炎(たべものアレルギー)


胃腸の粘膜が腫れていることが特徴です。
4、慢性胃腸炎(炎症性腸疾患)


胃腸の粘膜が腫れていることや、腸の粘膜が白くなっていることが特徴です。
5、腫瘍(リンパ腫)


胃腸の粘膜が腫れている場合や、全くの逆の粘膜が痩せている場合もあります。
悪性度が高くなるにつれて、リンパ節も腫れてくることが特徴です。
特徴的な所見をご紹介しましたが、超音波検査所見だけでは、判断できないことが多いのも現状です。
その場合には、血液検査やレントゲン検査も活用していきながら、1つ1つ丁寧に判断していく必要があります。
吐き気や下痢の症状でお悩みの子は多いと思いますが、
超音波検査を実施することで、病気の診断までは難しいですが、治療の道筋は見えるかもしれません。
当院でもお手伝いができることがあれば、一緒に考えていきましょう。
アリイ動物病院 院長