2026/10/20

犬のてんかん発作について①

学生時代から一緒に過ごしてきた先代犬のカイくんが昨年19歳で亡くなり、現在はてんかん発作を持病にもつペペくん(9歳)との出会いをいただき、一緒に過ごしております。てんかん発作は、全身の痙攣を伴うことが多く、その治療やお世話はとても大変な部分もございますが、発作がなく、日常の生活を送れることができるぺぺくんを見ていると温かい気持ちになります。

今回は、我が子ぺぺくんとともに、『てんかん発作』についてお話をさせてください。

犬のてんかん発作について

脳の神経細胞が過剰に興奮することで生じる症状で、全身の痙攣を伴うことが一般的です。症状の出方は①焦点性発作②全般性発作の2種類に分かれます。

ぺぺくんは①、②ともに発症しております。

①焦点性てんかん発作

顔や手足が引き攣るなどの体の一部のみに生じる発作です。発症する時間は様々で、1、2分で落ち着くときから、30分以上続くときもあります。

ぺぺくんの場合:よだれが急に多くなる、手足を異様に舐める、ベロが気になりベロを動かすことが増えるなど、異常な行動が増えることが多いです。

②全般性てんかん発作

犬で最も多く見られる発作で、急に意識を失い、横になり手足を痙攣させる全身性の発作になります。手足が緊張し突っ張るようになる強直性発作と手足を遊泳するように動かす間代性発作の2種類があります。

同時に、よだれや失禁などの症状を伴い、1~3分ほどで全身の痙攣が落ち着いてきます。発作前には落ち着かない様子や、発作後もウロウロしたり、ふらつくなどの症状が続くことがあります。

ぺぺくんの場合:突然走り回り、よだれが多くなり、手足を痙攣させます。強直性発作〜間代性発作まで、その時その時で、発作の出方が変わっていきます。

病院への受診を検討すべき状態について

  • 発作が5分以上続く場合(重積発作状態)

    いつもの発作が断続的に続いている可能性がありますので、座薬や緊急薬がある場合には、投与してあげてください。5分間を待ち続ける必要はございませんので、『いつもの発作と違う感じかな』『なんとなくいつもより大きい発作かな』という感覚がある場合には、迷わず投与してあげてください。

  • 発作が1日2回以上続く場合(群発発作状態)

    1回あたりの発作は短くても、1日2~3回以上、軽い発作が続く場合もあります。大きな発作が来る前兆になりますので、1日2回以上の発作を認めましたら、座薬や緊急薬を投与してあげてください。

発作が続くとどうなるの?

短い時間のてんかん発作で命に関わることはまれですが、大きなてんかん発作が30分以上続き、止まらなくなった場合や、繰り返し発作が起きてしまうと、脳にダメージが残ることがあります。さらに、てんかん発作が長く続くと、心臓、腎臓、肝臓、筋肉などにダメージが生じることもあり、全身に負担が出て、重篤な状態に発展することがあります。

1回の発作では慌てることはありませんが、複数回続く場合や止まらない場合には、病院へ行く必要があると考えてください。

実際の治療について ☆ぺぺくんの場合☆

現在、服用しているお薬(すべて飲み薬です)からご紹介します。

①コンセーブ②フェノバール③臭化カリウム④ウルソ⑤スパカール

⑥ホリゾン(緊急薬)

発作を抑えるお薬(①②③)は、肝臓に負担が出てきますので、肝臓の負担を抑えるお薬(④⑤)が必要になります。重積発作や群発発作まで出る子なので、緊急薬のお薬(⑥)を常備しています。

これだけ服用していても、台風や気圧などの天候の影響を受けると、1日2回の発作が3日ほど続くことがあります。状況に合わせて、②フェノバールを調整するときと、⑥ホリゾンで対応するときに分けていますが、正直にいつもと違う行動がどのくらいあるか、いつもの発作とどう違うかなどを感じながら(感覚的に)調整しているのが実際です。

てんかん発作の治療について

薬剤による治療以外にも、選択肢が増えています。

  • 食事治療(専用の治療食があります)

  • 外科的治療(適応かの判断が必要になります。)

  • CBD(大麻草由来の植物性カンナビノイド)

発作のコントロールができない場合には、さまざまな治療と組み合わせていくことが大切だと思います。

次回は、てんかん発作の原因と治療のお話をさせていただきます。

最後に、ぺぺくんです🐶これからも宜しくお願いいたします😃

アリイ動物病院 院長

一覧へ戻る

arrow_forward