💊リンパ腫について4

こんにちは、獣医師の上野です。

つい先日、外を長時間歩くことがありましたが、次の日筋肉痛に襲われました(^_^;)運動不足感が拭えません😭

前回のお話からお時間が空いてしまいましたが、リンパ腫の内科治療、抗がん剤(化学療法)についてお話ししたいと思います👆

外科療法が局所治療であることに対し、化学療法は全身治療にあたります🏃

化学療法は造血系の腫瘍であるリンパ腫にとって相性の良い治療方法の一つです😊

化学療法剤の作用メカニズムは種類によって様々ですが、要約するとどの化学療法剤も『細胞分裂を阻害・破壊する』ことで効果を発揮します💣

悪性腫瘍は細胞分裂が活発ですので、化学療法剤にとって格好のターゲットなのです🔍

しかしその反面、腫瘍細胞以外にも体の細胞分裂が活発な正常な組織もターゲットになり得てしまうんです😨

造血機関である骨髄、消化器官である胃腸、体毛などがそれにあたり、骨髄抑制、嘔吐や下痢、脱毛が副作用として発生する可能性があります😩

その他、化学療法剤個々に特有の副作用(心筋毒性や腎毒性など)があり、それらに注意・対処しつつ、しっかりモニタリングを行いながら治療を行います📺

また、投与する側(人間側)も注意が必要です⚠️

化学療法剤は主に糞尿中に排出されますので、それらを処理する飼い主様にも悪影響を及ぼす可能性があります✋

少なくとも投与後24時間(化学療法剤の種類によって変わります)は排泄物に対し、細心の注意を払って処理を行わなければなりません🧼

投与方法にも様々なタイプがあります👀

飲むタイプのもの、皮膚の下に注射にするもの、静脈に注射するものがあります💉

また、投与期間も違っていて、その子の状態をみつつ治療計画を立ててご提案し、その都度調整をしていきます📐

当院で使用している化学療法剤の使用例を挙げると、注射薬のL-アスパラギナーゼでは状態によりに1~3週間に1回の頻度で皮膚の下に注射を行います。

経口薬のクロラムブシルは1日1回の薬ですが、状態により投薬頻度を減らして調整していきます✏️

『当院で使用する化学療法剤の1例』

クロラムブシル ドキソルビシン L-アスパラギナーゼ
適応腫瘍 リンパ腫、肥満細胞腫 リンパ腫、血管肉腫、骨肉腫 リンパ腫
投与方法 経口 静脈 皮下
副作用 骨髄抑制、消化器症状、脱毛 骨髄抑制、心筋毒性、腎機能障害、消化器症状、脱毛 アナフィラキシー、膵炎

 

化学療法剤はとても良い薬ですが、その副作用に目を背けることはできません。

ですので、検査で腫瘍がどんなものか特定することが非常に重要なウエイトを占めます🚨

腫瘍がどのようなもので、どのような性質を持っているのか、が化学療法の治療計画の大事な礎になるのです🌐

ここまでお付き合いしていただき、ありがとうございました。

細かい所をお話しできずに申し訳ありませんでしたが、今回にてリンパ腫についてのお話を一度終わりにしたいと思いますm(_ _)m

疑問等わからないことがありましたら、ご相談ください💁

それでは失礼いたします🙎‍♂️