消化器疾患シリーズ2:猫の嘔吐

今回は、『若い猫の嘔吐』について、3つのポイントを解説しながら、お伝えいたします。

3歳までのねこちゃんの嘔吐での3つのポイントをまずご紹介いたします。

1、嘔吐の頻度:1日に3回以上吐いていること ⇆ 病気の可能性があります。

2、食欲低下:食欲が5割以下に低下している ⇆ 病気の可能性があります。

3、排泄物の状態:便もしくは尿が出ていない状況 ⇆ 病気の可能性があります。

わんちゃんのポイントと比べて、注意するべき内容が変わってきます。

*消化器疾患シリーズ1:犬の慢性嘔吐を参照ください。

ねこちゃんの場合、嘔吐の原因が胃腸だけの問題ではないことがあるため、

以下の内容に注意が必要です。

1、異物:胃腸の問題

2、感染症:胃腸の問題

3、尿石症:泌尿器の問題、尿が上手く出すことができない状態

4、便秘:胃腸の問題

5、肝炎:肝臓の問題

若いねこちゃんでは、誤って何かを誤飲してしまうケースが多いと感じています。

その他、上記にあげた順番で遭遇することが多い内容になります。

そして、皆様からいただく稟告により、どの内容の可能性が高いかを判断していきます。

*些細な情報でも、診断の手助けになることが多いですので、遠慮なくお伝えください。

特に異物については、レントゲン検査で見える異物(プラスチック、金属)と見えない異物(ビニール、チュールなどの包装破片など)があるため、その判断については、慎重な対応が必要です。

それでは、実際の症例を通して、解説していきます。

患者様情報:雑種、2歳、女の子

主訴(悩んでいること):昨日から少し食欲が落ち、吐きたそうにする(吐いてはいない)

1、嘔吐の頻度:なし

2、食欲:8割あり

3、排泄物の状態:尿は問題ないが、昨日から排便なし

上記にあげた3つのポイントで、排泄だけがわずかに引っかかっていました。

また、何かを誤飲したかもしれないという稟告もありましたので、異物の可能性を考えました。

レントゲン検査結果

胃の中に、異物を疑う所見が認められました。

全身麻酔が必要ですが、内視鏡にて異物(消しゴム)を無事に摘出し、治療を終了としました。

今回は、『若い猫の嘔吐』について解説しましたが、

上記に挙げた通り、異物以外にも多くの可能性が考えられます。

それらを除外するために、レントゲン検査や超音波検査、血液検査などが必要になってきます。

急性嘔吐が改善しない状況が続くと、慢性嘔吐に移行していき、食欲低下が多くなります。

原因の特定ができない場合には、より詳しい検査を検討することもありますが、

1つ1つの可能性を丁寧に確認していくことが大切だと考えております。

アリイ動物病院 院長