『シリーズⅠ:食道疾患』

こんにちは⭐️
昨日、お話した『食道疾患』の続きになります。
巨大食道症
巨大食道症はその名の通り、食道が拡張してしまう状態のことを指します。
拡張してしまった食道の影響で、食べ物が胃に流れず、食道内に停まってしまうことが問題になります。
そのため、症状としては
・食べたあとにすぐ吐く
・吐く事が多いために、誤嚥性肺炎を併発し、咳が増える
巨大食道症の原因は多岐に渡ります。
・心臓血管の異常
・食道腫瘍
・重症筋無力症
・多発性筋炎
・甲状腺機能低下症
・アジソン病
・食道炎(重度の膵炎や胃腸炎からの併発)
原因特定ができるものは、上記のものになりますが、その他にもまだまだ可能性の原因はあります。
では、『巨大食道症』になってしまった場合の治療法についてですが、
外科手術:心臓血管の異常、食道腫瘍は適応になり、完治する可能性もあります。
お薬:重症筋無力症、多発性筋炎などの筋疾患が適応になりますが、基本的には付き合    いながら、治療をしていくことが多いです。
・甲状腺機能低下症、アジソン病や食道炎には効果的なお薬がありますので、治る可能性が十分にあります。
最後に好発犬種ですが、若齢の子が発症した場合に限ります。
・アイリッシュ・セッター
・グレート・デン
・ゴールデン・レトリーバー
・ジャーマン・シェパード
・ミニチュア・シュナウザー
などの報告が多いです。
以上が『食道疾患』の説明になりますが、慢性的に吐きやすい子は一度、胸部レントゲン検査をおすすめしています。
何かご不明な点があれば、お気軽いご相談ください。
アリイ動物病院 院長
電話0466-41-9581