消化器疾患シリーズ14:レントゲン検査の重要性

今回は、吐き気や下痢の症状がある際のレントゲン検査の必要性について、お話します。

体調不良の子が来院した際に、アリイ動物病院では次のような流れで診療を実施しています。

POINT1:症状の程度を確認します。

まず、吐き気や下痢の症状以外に、食欲不振、腹痛、腹鳴がないかを確認します。

次に、以前から同じ悩みがあるのか、初めての症状かを確認します。

そして、身体検査にて、お腹以外の異常がないか可能な範囲で全身を確認します。

POINT2:必要な検査をご案内します。

糞便検査、血液検査、レントゲン検査、超音波検査を組み合わせて、ご相談します。

もちろん、検査を必ずすることはございませんが、

より適切に治療をご案内する場合や、症状の程度が重い場合には、

検査を実施していくように心がけています。

POINT3:検査結果から治療方法をご案内します。

治療には、点滴治療や内服薬治療、食事療法までを組み合わせて、ご案内します。

その子その子にあった治療を提案しますので、遠慮なくご相談ください。

今回のお話:レントゲン検査について

下痢の症状でご来院された子のレントゲン写真をご紹介します。

『患者様Aの場合』:胃のガスが顕著に貯留しています。下痢以外に、吐き気の症状もありました。

『患者様Bの場合』:胃、大腸にガス貯留がありました。下痢のみの症状で来院されています。

『患者様Cの場合』:小腸、大腸にガス貯留がありました。若い頃から下痢しやすい子です。

みんなそれぞれ、同じ下痢の症状でも、原因となっている消化管(胃、小腸、大腸)の場所が異なります。

これは、症状の重症度や体質の問題なども大きく関与していますので、注意が必要です。

②お薬で良くなるけど、お薬がないと緩くなる子

①幼少期からなんとなくお腹が緩い子(でも、基本は元気な子)

③朝ごはんの食べムラがある子(でも、夜ご飯は食べれる子)

上記の子は、隠れている胃腸の体質(悩み)があるかもしれませんので、

レントゲン検査にて問題となっている消化管の場所の特定をお勧めします。

お困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。

アリイ動物病院 院長