アリイ動物病院では、犬・猫以外にも診療を実施しております。
うさぎ、フェレット、ハムスター、ハリネズミ、チンチラ、デグーの診療も対応しています。
本日は『うさぎの食事管理』について、お話いたします。
本来、うさぎ(特に野生)は、草、木の葉、樹皮、種子、根を食べるとされています。
野生界では、生息域(暖かい地域、寒い地域)により食べられるものに変化があります。
本来はやわらかい草を好みますが、季節や生息地に応じて、
枯れ草、硬い樹皮、根まで食べられることが特徴になります。
硬いものを食べることが、咀嚼運動を刺激し伸び続ける歯を適度に削り、
さらに、消化管運動も刺激され、腸内の健康が維持されます。
採食時間については、野生では夕方と夜明けに多くなることが分かっています。
これは、捕食動物に見つかりにくい時間帯に活動することが多いからです。
体調不良のときは、生理的に胃腸の活動性が高くなる時間帯に、
ご飯を食べさせていくことが、強制給餌による体の負担を減らすことにつながります。
消化管全体に占める割合は、胃が35%、盲腸が50%を占め、小腸、大腸が15%になります。
盲腸の占める割合が大きいことが最大の特徴になります。
盲腸では、多種多様な微生物が存在し、尿素分解、タンパク質分解、セルロース分解などを行います。
その結果、普通便(硬い便)と比べて、タンパク質とビタミンを多く含み、繊維質が少なくなります。
栄養素を多く含んだ盲腸便を摂取することで、より多くの消化酵素(アミラーゼなど)が分泌され、
食事からの栄養素を最大限利用できるようになります。
盲腸便を食べれない場合、もしくは、盲腸便を食べようとしない場合には、
1、胃腸の運動性が低く、食欲が減退している可能性(鬱滞)
2、盲腸内のガスが多く、良い盲腸便を排出できていない可能性
上記の可能性に注意が必要になります。
3歳、女の子のうさぎさんです。
『食生活での特記事項』
1、ペレット主体の食生活、硬めのチモシーはあまり好まない
2、盲腸便をあまり食べず、落ちていることがある
徐々に食欲が低下してきたが、便はしっかり出ている。


上記にも記載した通り、うさぎの盲腸は大きく、ガスが溜まるとレントゲンにて確認しやすくなります。
*レントゲンにて黒く見える部分が、盲腸のガスになります。
食生活の工夫については、ペレットが好きな子になりますので、
ペレットを食べすぎないように、ペレットの給餌量を10%カットとしました。
チモシーを好まないため、生野菜(キャベツ、ブロッコリー、レタスなど)の摂取を増やすようにし、
繊維質を多くとれるように工夫してみました。
現在の食欲低下については、内服薬(主にプリンペラン)にて胃腸運動のサポートを実施し、
食生活の工夫を実施することで、盲腸の機能を回復できるようにご提案させていただきました。
今後の経過によって、生野菜の給餌量を減らし、乾燥チモシーへ移行していく予定になります。
最後に、年齢に伴い歯の悩みが増えますので、若い世代のときは、
適度に硬いチモシー(1番刈り)をしっかり食べさせていくことが大切になります。
盲腸便の様子や便の形状など、ご心配のことがございましたら、
お気軽にご相談ください。
アリイ動物病院 院長
